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アレクサンダーテクニークが宗教と言われる本当の原因【怪しい…の疑問を解消します!】

こんにちは、土橋です。

アレクサンダーテクニークで検索してみると、「アレクサンダーテクニーク 宗教」「アレクサンダーテクニーク 怪しい」といった検索ワードが出てきます。
しかも、結構調べられている様子です。

自分自身アレクサンダーテクニークの世界に入って長くなっていて当たり前になっていましたが、そうか、怪しい宗教だと思う人もいるのかと思いました。

そこで、アレクサンダーテクニークは本当に怪しい宗教なのか?1000人以上にアレクサンダーテクニークを教えてきた今、改めて考えてみることにしました。

アレクサンダーテクニークが宗教と言われる本当の原因

アレクサンダーテクニークが初めて日本に伝わってきたのは、1980年代にイムレ・トールマンというスイス人が舞踏や野口体操を学ぶた為に日本に滞在されていた時に、個人レッスンを教えられたのが始めのようです。

その後、1990年に京都精華大学名誉教授片桐ゆずる氏によって、初のワークショップも開催されました。

それがなぜ怪しいと思われたり、宗教だと言われるようになったのか?まずは原因について考えました。

アレクサンダーテクニークは確かに怪しい

これまでに1,000人以上にアレクサンダーテクニークの指導をしてきた私からしても、アレクサンダーテクニークは怪しいと思われても仕方ないなと思うことがあります。

「体を触ることであなたの思っていることがわかります」

このように言われたら、怪しさしかありませんよね。
アレクサンダーテクニークのレッスンで一見何もしていないのに、あまりにも体が変化する為、とても不思議な感覚になられる方もおられます。

アレクサンダーテクニークは、意識の変化によってカラダに劇的な効果を生むことがあるため、アレクサンダーテクニークがスピリチュアルなものと考えられることもありますし、あまり詳しくない方からすれば、科学的ではないし宗教的だと見られるかもしれません。

宗教がなぜ悪いイメージが持たれるのか?

「あれは宗教だ」という文脈で何かが言われる時には、それは悪いものだという文脈で言われています。

日本で初めてワークショップが開催され始めた1990年当時は、オウム真理教のようなカルト宗教が流行していた時代です。松本サリン事件、地下鉄サリン事件といった印象が強く残っているために宗教=悪という先入観を持つようになってしまっています。

ヨガやピラティスはここ10年くらい、健康的なものとしていいイメージを持たれるようになって市民権を得ています。しかしながら、ヨガもオウム真理教で修行に使われていたために、印象が悪くなったりしているという歴史があります。

ここ数年であれば、オンラインサロンも宗教だ、怪しいと言われる対象となっています。

なぜ悪いイメージが持たれるのかというと、「知らないから」悪いイメージになるのです。人は知らないものに対しては恐怖を覚えて防御反応をとるように本能にプログラミングされています。これは人間が進化して生き延びてくる間に身につけてきた本能なので、そうそうすぐに変わるものではありません。

ですが、正体を知ることによって怖さがなくなり、怪しいというイメージもなくなります。残るのは好きか嫌いかという個人の判断になります。

宗教とカルト宗教を分けて考える

宗教というのはキリスト教、ヒンドゥー教、仏教など様々なものがあり、世界で一般的なものですし、無信仰と言われている日本人や私たちも、正月、クリスマス、お盆、ハロウィンなどさまざまなイベントを通して宗教に触れています。結婚式もそれぞれの宗教が反映されたやり方でチャペルや神社などで行われています。

宗教は、心となる教え(理論)があり、その教えを考え出した中心人物やその教えを広げている人の元に学び、暮らしていきます。そして、その教えが人を幸せに導いてくれるという考え方です。これは、学校、塾、講座やセミナーなど、どんなものでも本質的な構造は同じです。

そして、宗教によって救われたり、日常が楽しくなったり、幸せになっている人がたくさんいるのも事実です。

盲信的に他のものを排除したり、危害を加えてしまうカルト宗教と分けて考える必要があります。
もし仮にアレクサンダーテクニークが、それ以外の考え方は悪いものだ!として攻撃をしてくるようであれば確かに敬遠されるようなカルト宗教と同じような構造になってしまいます。

ですが、そうでなかったとすれば、そこまで敬遠するべき対象ではなく、正しく学び使えば、あなた自身の生活を豊かにしてくれる力強い味方となってくれるのです。(もちろん好みにあえばですが…)

アレクサンダーテクニークが怪しい宗教というイメージを解消します

後半では、アレクサンダーテクニークを怪しいと思われている方のためにアレクサンダーテクニークが何のためにあるのか?どういう人に必要なのか?という疑問を解消していきますので、これでアレクサンダーテクニークに対するイメージが変わるかもしれません。

アレクサンダーテクニークは何のためにあるのか?

アレクサンダーテクニークは身体のレッスンです。
アレクサンダーテクニークを学ぶことでカラダの使い方、カラダへの意識の向け方が上達します。

アレクサンダーテクニークの基本的な考え方の一つにに、思っていることが体の状態やパフォーマンスに表れるというものがあります。

私たちの体は意識的であれ、無意識であれ、自分の体を脳が認識している通りに動きます。

例えば、腕の付け根を肩口のところだと思っていると、腕を肩から動かそうとします。

一方腕を鎖骨からだと思っていれば、腕を鎖骨の付け根から動かそうとします。

実際には鎖骨の付け根が腕の付けになります。

実際にそれぞれの意識で腕を動かしてみると違いが分かると思います。

このように、体の認識を変えるだけで、動きは一瞬で変わります。

「思考は現実化する」ということが自己啓発本などでよく言われますが、体に関しても同じことが言えます。

レッスンの中で、身体感覚への気づきや変化を通して学ぶ部分も多いです。

身体感覚は人によって様々ですし、感覚を言語化することはなかなか難しいです。

実際にアレクサンダーテクニークのレッスンを体験した人は、その感覚が共有できるのですが、体験したことがない人に言葉だけでアレクサンダーテクニークを説明するのはなかなか難しいのです。

アレクサンダーテクニークが必要な人

アレクサンダーテクニークは特に必要な人がいます。

どういう人が特に必要かというと、慢性的に体に痛みがあったり、動かし方に負担が起こっている人、ダンスや演奏などのパフォーマンスが思ったように発揮できていない人です。

交通事故などによる骨折のような状態ではなく、慢性的に体に痛みが出るのは、体に負担がかかっていることが多いからです。なぜ、体に負担がかかるのかというと、自分の体をこう動かしているというイメージと実際の動きに違いがあり、体に負担がかかっているのです。しかも、体の動かし方は無意識です。

なので、慢性的な痛みのある方や、思ったようなパフォーマンスを発揮できていないパフォーマー・演奏家・アスリートといった方。そんな方にとっては特に必要なものなんです。

アレクサンダーテクニークに興味を持たれる多くの方がピアニスト、吹奏楽の演奏家、ダンサーなのは、身体に意識を向けることが職業的に多いからなのだと思います。

ちなみに、トップアスリートの方は、身体に意識を向けるという能力がズバ抜けて高いです。
こちらの動画の7:38〜12:12で武井壮さんがプロのアスリートよりも優れた成績を出す秘訣について語られていますが、まさしくこんなことができるようになるのがアレクサンダーテクニークの一つの大きな効果だと感じています。

怪しさを乗り越えるために向き合うべき課題

アレクサンダーテクニークは音楽家やダンサー、表現者などの間で実はすごいものだというふうに評価されているものです。ですが、まだまだ知っている人や、効果を実感している人が少ないのも事実です。

多くの人に知っていただくということが、アレクサンダーテクニークが怪しい宗教だと言われることを少なくしていく近道です。
私がこのブログを書いているのも、アレクサンダーテクニークを一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い書いているのもありますし、YouTubeでもアレクサンダーテクニークについて情報を発信しています。

YouTubeチャンネル:カラダの使い方大学

アレクサンダーテクニークは怪しい宗教に見えるかもしれませんが、多くの人に喜ばれているのも事実

ここまでお読みいただき、アレクサンダーテクニークについての印象は変わりましたでしょうか?それともまだまだ怪しい宗教だと感じるでしょうか?

まだまだ怪しい宗教だと言われることも多いアレクサンダーテクニークですが、1,000人以上に指導してきてたくさんの人に喜ばれているという事実を知っています。なので、もっと多くの人に良さを実感してもらいたいと思っています。

ですが、アレクサンダーテクニークは、奥が深いものなので、もしかすると一回読んだだけでは全体像を理解することが難しいかもしれませんし、まだまだ怪しさが残っているかもしれません。

もし、興味があれば他のこちらの記事もお読みいただくことでアレクサンダーテクニークについて理解が深まると思います。