楽器演奏者にもたらすアレクサンダーテクニーク3つの効果

ジュリアード音楽院やロンドン音楽演劇学院など世界一流の音楽学校で必須の授業として取り入れられていることなどから楽器演奏者の間では、認知が高いアレクサンダーテクニーク。

今回は実際にアレクサンダーテクニークが楽器演奏にどのように役立つのか?についてお伝えします。

アレクサンダーテクニークとは?

アレクサンダーテクニークは一言でいうと、姿勢や体の使い方を学ぶメソッドです。
動作時の痛みの改善やパフォーマンス向上に効果を発揮します。

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この記事を書いている土橋は、これまで1000人以上の方にアレクテクニークのレッスンを行ってきており、その内の半分以上が楽器演奏者の方です。

これまでに、ピアノ、チェンバロ、ヴァイオリン、ギター、ベース、チェロ、トランペット、ホルン、クラリネット、オーボエ、ドラム、チェンバロ、リコーダー、二胡、龍笛などの楽器演奏者に教えてきました。

アレクサンダーテクニークが楽器演奏にどのように役立つか解説します。

アレクサンダーテクニークは楽器演奏者のこんな悩みを改善します

これまで演奏者の方から以下のような悩みをお聞きしてきました。

  • 演奏時に体に痛みがある
  • 本番であがってしまい、普段の力を発揮できない
  • もっと綺麗な音色で演奏したい
  • 楽器の先生の言う通り演奏できない
  • 早いフレーズで指が回りにくい
  • 高音を出す時に体が固くなる
  • もっと短時間で効率的に演奏したい
  • 最後までバテずに演奏できるようになりたい
  • 体の知識に基づいた正確な指導がしたい

1つでも当てはまるものがあれば是非この先も読み進めてください。

次にどんな楽器にアレクサンダーテクニークが役立つのか?について見ていきます。

楽器演奏者にとってのアレクサンダーテクニーク

アレクサンダーテクニークは全ての楽器の演奏パフォーマンス改善に役立ちます。

なぜなら、それぞれの楽器の演奏技術について学ぶわけではなく、演奏の動きの土台となる根本的な体の使い方を学ぶレッスンだからです。

それぞれの楽器によって演奏技術は異なりますが、根本的な体の使い方そのものはどんな楽器にも共通します。

楽で自然な体の使い方を身につけることで、演奏で必要とされる技術がより効率的に出来るようになります。

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具体的にどのように楽器演奏に役立つのか?その効果を詳しく見ていきます。

アレクサンダーテクニークの効果

代表的な効果として次の3つを見ていきます。

  • 演奏時の痛みの改善
  • あがり、緊張の解消
  • パフォーマンス向上

演奏時の痛みの改善

レッスンを受講される理由として一番多いのは、「演奏時の体の痛みを改善したい」という相談です。

楽器によってはかなり身体に無理がかかる体勢で同じ動作を繰り返すので、適切な体のバランスが取れていないと痛みが生じすいです。

ですが、体本来の構造に沿って楽に自由に演奏できる体の使い方が分かれば、身体の痛みは自ずと改善されます。

大切なことは、特定の演奏技術を行う為に、体を犠牲にしないということです。

別の言い方をすると下記のように意識することが大切です。

体の楽さを優先させながら演奏するという意図を持つ

体のことも気にかけながら、演奏するというと一見難しそうに聞こえるかも知れません。

ですが実際にレッスンを受けて具体的なやり方を知ればそれほど難しいことではありません。

多くの演奏時の痛みはレッスンの早い段階で改善して行きます。

あがり、緊張の解消

次に相談を受けることが多いのが「本番での緊張」です。

演奏者として本番の舞台に立たれたことのある多くの人が経験される悩みでしょう。

ここで考え方として大切なのが以下になります。

本番で緊張すること自体になんら問題はない

多くの人の前で演奏するには、エネルギーが必要です。

本番での緊張は、上手く使えば本番でパフォーマンスを発揮する為の必要なエネルギーになります。

アレクサンダーテクニークのレッスンは、あがりの解消にとても有効です。

これまで僕のレッスンを受けられたほとんどの方があがりの悩みを克服されています。

アレクサンダーテクニークであがりが改善される大きな理由は以下になります。

体の緊張をやめることで、心の緊張もやめられるようになる

本番で心が緊張していれば、その緊張は必ず体にも表れます。

心の緊張は目に見えず、直接やめることはなかなか難しいですが、体の緊張は目に見えますし、実際に体感できるものです。

体本来の自然な使い方を知ることで、体の緊張に気づいてその緊張をやめ、同時に心の緊張もやめることが出来るようになるのです。

パフォーマンス向上

多くの演奏者が無意識のうちに体を余分に緊張させて、演奏をしています。

(無意識に)体を余分に緊張させながら演奏することは、ブレーキを踏みながらアクセルを同時に踏んでいるようなものです。

ブレーキを踏むことをやめることで、アレクサンダーテクニークで身体の余分な緊張をやめることができると、効率的にやりたい演奏が出来るようになります。

僕のレッスンを受講して頂いた方からも下記のように様々な場面でパフォーマンスが改善したとの声を頂いています。

  • 早いフレーズでも指が回りやすくなった
  • 音色が美しくなった
  • 高音が力みなく楽に出せるようになった
  • 疲れずに最後まで楽に演奏できるようになった

実際のレッスンの様子

レッスン体験談

演奏は体の動きによって生み出されるものです。

ですので演奏時のあらゆる問題は効率的に体が使えるようになることで、改善しやすくなります。

演奏者が思っていることを表現する為に身体の自然な動き方を知ることは、必須の知識と言えるでしょう。

最後に実際にこのような効果を得るまでどのくらいの期間が必要なのか?についてお伝えします。

アレクサンダーテクニークを習得するには?

アレクサンダーテクニークを習得すること、つまりこれまでの習慣的な身体の使い方(癖)をやめ、新たな身体の使い方を習得するにはある程度時間がかかります。

また、身体の使い方は演奏と同じで学びに終わりはなく、限りなく向上していくものです。

学べば学ぶほど、より繊細に深いレベルで身体の使い方の質は変化し続けていきます。

とはいえ、目安として10〜12回程度レッスンを受講して頂くと、痛みの改善や本番でのあがりの解消といった効果を実感して頂けることが多いです。(効果には個人差があります。)

レッスンを受講するペースとしては、始めのうちはどうしても忘れやすくなるので週1回程度、慣れてくれば2週に1回程度の受講をオススメしています。

また、アレクサンダーテクニークの効果を自分一人でも再現出来るよう定着させるには月2回程度のレッスンを1年間ほど継続して頂くことを推奨しています。

まとめ

  • アレクサンダーテクニークはあらゆる楽器演奏のパフォーマンス向上に効果がある。
  • それぞれ演奏技術について学ぶものではなく、演奏の動きの土台となる体の使い方そのものについてのレッスン。
  • 効果として、演奏時の痛みの改善、あがり症の解消、パフォーマンス向上が期待できる。
  • アレクサンダーテクニークを習得するには、ある程度時間が必要になる。

演奏していると体に痛みがある、本番になると緊張してパフォーマンスが発揮できない、これまでの練習に行き詰まりを感じている、といったことでお悩みの方は、是非一度お問い合わせください。

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