アレクサンダーテクニークは効果なし?実感できない3つの原因

近年日本でも少しずつ認知されてきているアレクサンダーテクニークですが、レッスンを受けて劇的にパフォーマンスが向上したという声もあれば、一方で効果を実感できないという声も聞きます。

両者の違いはなんなのでしょうか?

今回はアレクサンダーテクニークの効果を実感できない理由とどのようにすれば確実に効果を得られるのかについてお伝えします。

アレクサンダーテクニークのレッスンの原理

アレクサンダーテクニークの効果を考えていく為に、まずアレクサンダーテクニークのレッスンの原理から見ていきます。

思っていることが体の状態や動きに表れる

これはアレクサンダーテクニークの基本的な考え方の一つです。

「思っていることが表れる」なんて言うと、まるで宗教や自己啓発か何かか?と思われる人もいるかもしれません。

ですが、これは単純に

脳の認識していることが体の状態や動きに反映されている

というごく当たり前のことを言っているだけで、決して怪しいものではありません。(笑)

アレクサンダーテクニークはこの脳の認識へ直接アプローチするレッスンです。

ここで脳の認識には意識出来ている部分と無意識の部分があります。

この自分では無自覚な無意識に行っている緊張や不必要な動きの癖にスポットライトを当て、無意識を意識化することで、動きの再教育を行っていくのがアレクサンダーテクニークです。

脳の認識を意識的に変えることで、動きを変えるとはどういうことか?

具体的な例で見ていきます。

脳の中には体をどのように認識して、どのように動けば良いかが描かれている体の地図(ボディマップ)があります。

ボディマッピング<脳の認識を変えることで動きが変わる>

私たちはこの脳の中になる体の地図に従って、体を認識し動いています。

この体の地図は意識的に作り変えていくことが出来、そのことをボディマッピング(体の地図作り)と呼んでいます。

例えば、あなたは背骨の一番上の高さがどの位置まできているか知っていますか?

背骨の一番上だと思う高さを指で指して、その高さをキープしたまま指を顔の前まで持ってきて下さい。

顎の辺りですか?鼻の辺り?目の辺りでしょうか?

実際には下記の位置になります。

頭と背骨の接点

およそ鼻の中央で目の下の高さになります。

また、横から見ると、耳と耳の間の辺りで、背骨の一番上と頭が出会っています。

意外と上の方にあると思った方も多かったのではないでしょうか?

頭の動きは実際にはこの高さから始まります。

でも、顎の辺りだったりもっと下の方で動くと思っていると、首の上の方を固めたまま頭を動かすことになります。

参考動画

このように間違った体の地図(イメージ)を修正して、解剖学的に正しい身体の構造に地図を作り変えていくのがボディマッピングです。

ボディマッピングは私のアレクサンダーテクニークのレッスンの中でも多用するアプローチの一つです。

ボディマッピングについては下記の記事が参考になります。

https://body-use.com/what-is-body-mapping/

アレクサンダーテクニークのレッスンで効果を実感できない理由

それではレッスンを受けて効果を実感できないという場合には何が起きているのでしょうか?

大きく3つが考えられます。

1、脳の認識(ボディマップ)が変わっていない

例えば上の例で、頭を鼻の高さから動かそうと思っていても、実際にはその位置から動かせていないということがあります。

動かそうと思っている場所のイメージがわずか数mmずれているだけでも動きの質は大きく変わります。

体の構造と動きのイメージが正確に一致していなければ不必要な緊張が生まれるのです。

その場合、効果を実感できないということになります。

アレクサンダーテクニークのレッスンでは、アレクサンダーテクニーク特有のタッチで生徒さんに触れて身体感覚を伝えることで、このイメージと身体感覚が一致するようにしていきます。

ただ、長い時間をかけて身に付けてきた体の癖は、とても根深いものなので変化するには時間がかかります。

一度変化が起こっても、またすぐに以前の癖が戻ってきてしまうのです。

ですので、根本的に変化するには、ある程度時間をかけてレッスンで新しい身体感覚を体験し、繰り返し意識することが大切になります。

そうすることで新しい神経回路が作られ、ボディマップが変わって来ます。

2、違いを認識する身体感覚の欠如

動きや体の状態が変化しているのに、その違いが認識できないと言う場合もあります。

そもそも日常生活から体に意識を向けるということをやっている人は多くはありません。

体の痛みや不調などが出てきて始めて体に注意が向くという人も多いです。

だから体の意識を変えて動いても、何が変化したのか分からないということも多くあります。

楽な動きとそうではない動きの違いを認識できるようになる為には、まずは繰り返し楽な動きを体験することが必要です。

何度も繰り返し体を意識して動かし、楽な動きを体験することで、身体感覚が育ってきて、動きの違いを認識できるようになってきます。

3、効果を判断するものを身体感覚だけに頼っている

体の感覚は個人差があり曖昧なものです。

なので結果を体の感覚のみで判断すると違いが分からないということがあります。

例えば首の動きが楽になったかどうか?で判断するのではなく、首を動かした時に見える範囲がどれくらい広がったか?というように視覚的に判断できるものなどで結果を判断すると良いでしょう。

また楽器演奏においては動きが変わると、音が変わります。

この音の変化は違いとしてかなり分かりやすいので、これもアレクアンダーテクニークが音楽家に支持されてきた理由の一つだと思います。

効果を判断するには、身体感覚だけでなく、視覚や聴覚を使っても判断できるようにするようにしましょう。

まとめ

●アレクサンダーテクニークの効果を実感できない理由には次の3つが考えられる。

  • 1、脳の認識が変わっていない
  • 2、違いを認識する感覚が欠如している
  • 3、効果を判断するものを身体感覚だけに頼っている

●効果を実感できるようになるには?

「思っていることが体の状態や動きに表れる」という原則に基づけば、思っていることが変われば必ず変化は出ている。

楽に動ける体験を繰り返し違いを認識できる身体感覚が育てば、変化は実感できるようになる。

今回はアレクサンダーテクニークの効果を実感できない理由についてお伝してきましたが、効果を確かめる一番良い方法は実際にレッスンを受けてみることです。

興味を持たれた方は是非一度ご相談ください。

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