タグ別アーカイブ: 首こり

パフォーマンスを上げたい人は頭と首を楽にした方がいい理由【アレクサンダーテクニークが解決します】

アレクサンダーテクニーク教師の土橋です。

今回の記事は首と頭の状態がパフォーマンスに大きな影響を与えているという話です。

一言でまとめると、首と頭が楽に動けない状態は、神経の伝達が悪くなる、常に疲れやすい状態になる、という2つの視点から、パフォーマンスが下がってしまうのです。

なので、首と頭が楽に動けるという状態がとても大切なのです。
では、楽ではない状態はどういう状態なのか?どういう状態なら楽なのか?ということをアレクサンダーテクニークの視点から解説していきます。

アスリートの方はもちろん、音楽家の方やダンサーなどのパフォーマーの方にもとても重要なお話です。
ぜひ最後まで読んでいってください。

なぜパフォーマンスを上げたい人は頭と首を楽にした方がいいのか?

人は脳から背骨の中にある脊髄神経を通して体に情報伝達をするということをしています。

頭と首の状態、楽な時とそうではない時にどんなことが起こっているのか?について詳しく解説していきます。

パフォーマンスが悪い時の首と頭の状態

人には、恐怖反応という反応があります。
びっくりしたり、恐怖があると私たちは、まるで亀が甲羅に首を引っ込めてしまうように首を縮めるように、首の筋肉を縮こまらせるのです。

以下、臨床分子栄養医学研究会からの引用です。

背中を丸めて身体を固めて首をすくめるのは、怖いことがあったときの反射です。普段からその姿勢になっているということは、いつもいつも怖いということ。ビックリして怖いと、首と頭の筋肉が収縮して固まるーこれが反射です。この反射がずっと起こっていると、常に緊張した姿勢のままになります。

首をすくめる=首と頭の筋の収縮でした。これは恐怖反応です。収縮という動き自体が恐怖反応であり、恐怖感があるとこの収縮が起こります。つまり、怖いときにはこの首の動きになると覚えているため、肩が凝ったとき、脳では「いつもと同じ、怖いことが起こっているな」と反応します。そうすると、肩が凝っているだけでコルチゾールが出ます。コルチゾールがずっと出ているので、アドレナリンも出てきます。それで、いつも怒りやすい、いつも副腎疲労を起こす、いつも疲れている人になるのです。
のうみそとからだをつなげようより引用-

どういうことかというと、パフォーマンスが悪くなっている人の体をみてみると、首と頭の部分の筋肉は縮こまっていることが多いのです。

脳内では、前屈みになったり、筋肉が縮こまっている=恐怖を感じていると認識してしまいます。
その認識によって、脳内で疲労物質が出てくるので疲れやすくなってしまいます。

常に疲れやすい状態だったり、痛みが出やすくなってしまいます。

さらに、全身への影響もあります。
脳から背骨に出ている脊髄から、腕や脚へ神経が出ているので、首を固めてしまうと、首や胴体だけでなく腕や脚への末端への神経伝達も悪くなって、全身の動きのパフォーマンスも低下します。

常に疲れやすい状態となってしまうのも相乗効果となりパフォーマンスは落ちてしまうのです。

首と頭が楽になるとパフォーマンスはどう変わるのか?

首と頭が楽になるとは、端的にいうと、首の筋肉を縮こまらせるということをやめるということです。

前のところでは、首と頭が楽ではない時には、首の後ろの筋肉が縮こまっている状態になっているという話でした。

  • 首の筋肉の縮こまり=恐怖反応となり、疲労物質が出て疲れやすくなる=パフォーマンスが下がる。
  • 首の筋肉が縮こまっている=神経伝達が悪くなる=パフォーマンスが下がる

つまり、頭と首が楽な状態=首の筋肉もリラックスしている=上記の2つがなくなるということです。

なので、

  • 首の筋肉がリラックスしている=疲れにくくなる=パフォーマンスが上がる
  • 首の筋肉がリラックスしている=神経伝達が良くなる=パフォーマンスが上がる

という状態に変わるのです。

首と頭が楽に動かせている時にはこの状態になっています。
首と頭が楽になるだけでも、パフォーマンスが圧倒的に変わったなと実感される方も多いのです。

首と頭が楽な状態を体感するための方法【アレクサンダーテクニーク(ボディマッピング)】

では、ここからは実際に首と頭が楽な状態を体感して行ってみましょう。
動画で解説していますので、それをご覧になったり、この記事を読んでいただきながら一緒にやって体験してみましょう。

1.首と頭の動きのBeforeを覚えておく

実際に頭首の動きを見てみます。

上下をみる。左右を見るというふうに動かしてみます。
この時に上を見るのと下を見るのではどちらの方が楽か、左を見るのと右を見るのではどちらの方がスムーズに動きますか?
あるいは、どのあたりまで見えているかを確認して覚えておいてください。

その上で質問があります。
今頭首を動かしたわけですが、それは背骨の上で頭を動かしたということです。では、頭と背骨はどの高さで出会っているでしょうか?
言い換えると、背骨の一番上はどこにあるでしょうか?
それを想像してみて下さい。

実は背骨の一番上は、耳と耳を結んだ高さにあります。そして、鼻の奥のあたりに頭と背骨が出会っている場所があります。

多くの人が、思っている場所よりも高いところにあるなと思ったのではないでしょうか?
まずは、頭と背骨が出会った高さを知っておいてください。

2.Afterで動きのスムーズさを実感する

そして、その上で、頭、首を動かす時に意識してほしいことは、鼻先が延長されてピノキオのような鼻になった状態をイメージしてください。
そして、さらにそのピノキオの鼻の延長線上を見るようにします。
その延長線上を見ながら下を向いたり上を向いたり、右を向いたり左を向いたりするようにしてみてください。

そうすると、先ほど動かした時よりも上下での差が減ったり、左右での差が減ったりしているのではないでしょうか?
もしくは、頭が楽に動けるようになってるなということを感じると思います。

この違いを実感できた状態こそが、首を動かす時に意識してほしいことです。
多くの場合は首を動かそうとする時に、頭と背骨が出会っている場所よりももっと下から動かそうとしています。
そうすると、本来頭を動かす場所(耳と耳の間)ではないところで動かすことになるので、首を固めて動かそうとすることになります。

耳と耳の間から動かすことで、自然な関節の動かし方になるのです。

アレクサンダーテクニークのなかのボディマッピングと呼びます

アレクサンダーテクニークの中では、この動きを体感していただいたものをボディマッピングと呼んでいます。

ボディマッピングとは、体の動きや感覚を脳が認識していくことです。

このボディマッピングが体の構造に沿って正しく認識できていると、思った通りに体を動かせるので高いパフォーマンスを発揮することができます。

一流のアーティストやアスリートは、このボディマッピングが正確な方が多いです。

詳しくはこちらの記事を参照してみてください。

ボディマッピングとは何か?アレクサンダーテクニークとの違いを解説

首と頭の状態はパフォーマンスに大きな影響を与えている

いかがでしたでしょうか?
首と頭の状態が楽だと、なぜパフォーマンスが上がるのか?という理由、実際に楽な状態がわかったのではないでしょうか?

体の中で重要な度合いが特に高いのがこの首と頭の状態です。
アレクサンダーテクニークでレッスンを行う時にも、首と頭の状態を必ず確認しています。

ぜひ、楽な首と頭の状態を作り、パフォーマンスを向上させていただければと思います。